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2023.12.11「先進事例視察」体験レポート(令和5年11月9日開催)

扇島LNG基地は神奈川県扇島に有り、首都圏の都市ガス需要に応えるため1998年に創業を開始したLNG基地で、隣接する発電所と共に首都圏の都市ガスと電力供給に貢献してきた施設です。
LNGとは「液化天然ガス」はマイナス162℃まで冷却すると天然ガスの体積が600分の1まで減少し、大量貯蔵や輸送がしやすいエネルギーです。また、石油や石炭など、ほかの火力発電の燃料に比べてCO₂やNOxなどの発生量が少なく、さらにススをはじめとした微粒子の発生もほとんど無く環境にやさしいエネルギーとなっています。
上記のマイナス162℃の状態とススが出ない事は、現地での冷熱実験で体験できます。ゴムボールがLNGの液体によりハンマーで砕けてしまうほどに硬くなってしまう事や、蝋燭の炎と比べてススが出ない事を見る事が出来ました。
 扇島LNG基地の特色としては周囲を航行する船の妨げにならない様に、桟橋と基地との間に配管橋を設置しないシーバース形式のLNG受入施設を設けています。その為、受入れたLNGを輸送するため地下にシールドトンネルを設置しています。シールドトンネルはマイナス162℃のLNGが流れる為、配管は熱収縮変異を吸収する様ループしています。(日本山村硝子㈱)
 また、安全性や周囲環境との調和や敷地の有効活用の観点から完全埋没型の覆土式地下タンクを設置し構内緑化にも力を入れています。
 他にも、漏れた時に直ぐにわかる様に無味無臭のガスにわざと臭いを付けたり、マイナス162℃のLNGを気体に戻すのに海水を使いまったく火を使わない事や、火力発電所の扇町パワーステーションの運転・監視を共同にする事で人員の省力化も図っている点等、あらゆる面で環境にやさしい取組をしている施設と感じました。(日本山村硝子(株))